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栄光と転落は紙一重

2/25(土) 総武ステークス・アーリントンカップ

中山のメインレースはダートのオープン戦・総武ステークス。

 

ダートは重賞の数が少ない分、単なるオープン戦であってもレベルの高い馬が揃うのは珍しくないのだが、このレースにはピオネロ・モンドクラッセセンチュリオン・バスタータイプと、いつにも増して強力なメンバーが集った。

 

このレースでは、異常に勘が冴えた。

これしかない!という買い方が見えた。

かなり強気に買ったら、狙い通り正確に的中。

何と、12万円の払い戻しがあった。

しかも、阪神のメインレース・アーリントンカップでも、本命ペルシアンナイトが圧勝した。

払い戻し金のあまりの額面の大きさに、頭がクラクラした。

 

 

2/26(日) 中山記念阪急杯

武豊の弟・武幸四郎の引退レースの日だった。こういう、何か特別なことのある日は、決まって変わったことが起こるので警戒が必要なのだが、この日は前日の大勝利ですっかり呆けてしまっていた。

 

中山のメインレースは、準GIとも言うべきスーパーGII・中山記念で、昨年度ドゥラメンテと競り合ったアンビシャスとリアルスティールが人気を二分、これに対抗するのが、秋華賞馬のヴィヴロスと中山巧者のツクバアズマオーという構図だった。人気馬が強く、手堅く決まるレース……のはずだった。

 

しかし、このレースの鍵を握ったのは、大物食いで悪名高いネオリアリズムロゴタイプだった。モーリスを討ち取ったダークホース2頭がここでも「らしさ」を発揮し、開幕初週の綺麗な馬場をするすると走り抜け、人気馬たちを尻目にネオリアリズムが1着、ロゴタイプが3着を奪っていった。

 

さらに、サクラアンプルールという謎の上がり馬がまさかの大激走で2着につけたことから、何とリアルスティールとアンビシャス両方ともが圏外に飛ぶという異常事態になってしまった。現地の中山競馬場は、さぞかし阿鼻叫喚の地獄絵図だっただろう。

 

阪神のメインレース・阪急杯でも、ひとり勝ちかと思われた単勝1倍台のシュウジがまさかの大敗。シュウジよ、お前もか……。特に理由らしい理由もない、謎の大敗であった。幸四郎が勝ったのならまだ納得もゆくが、幸四郎も大敗した、奇妙なレースだった。

 

中山の本命をリアルスティール阪神の本命をシュウジとしていたので、この日は大負けだった。

 

ダメだ。安田記念ジャパンカップも、リアルスティールは何度買っても勝てない。

 

手堅いレースと踏んで結構強気に賭けていたものだから、前日の勝ちは全て溶けてしまった。かろうじて前日の勝ち以上には負けなかったが、この週末は、プラマイゼロで終わっていった。

 

 

……夢を見たような週末だったが、不思議と負けた後悔はなかった。

むしろ、これこそが競馬なんだと思った。

十数万の勝ちをふいにしてしまったのは、どうでも良いさ。どうせ泡銭だから、身につかない。

 

けれど、もっと貴重な体験をしたような気がする。或る日突然、大勝ちしたと思ったら、翌日には大負けして全てを失う。ここまで有為転変の真理をストレートに突き付けられることは、ふつう無いと思う。安定などどこにもなくて、栄光と悲惨は紙一重の所にあることを、競馬は嫌という程わからせてくれる。

 

世界のGIで優勝したリアルスティールが、ついこの間条件戦を突破したばかりのサクラアンプルールに敗れてしまう。勝つ馬、負ける馬、それぞれいるけれど、勝負はその時々の水もので、例えその場で勝敗がついたとしても、見た目に見えているほど、力の差は実はなかったりする。どんなに強そうな馬でも負ける時は負けるし、成績不振の馬にもチャンスはある。

 

こういうレースを見ていると、人間には測り知ることの出来ない、もっと大きな運命の存在を感じる。

  

そうして、また少し、成功にも失敗にも寛容になれるようになった気がするのだった。

勝つのも楽しいけれど、しみじみと競馬の良さをかみしめられるのは、実はこういう時かも知れない。