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折り合いに専念

新入社員になったので、雑用が降ってくるようになりました。前の会社に新卒で入った時は、1年間真面目に雑用をこなしていたものですが、振り返ってみると、仕事を任せられる楽しさで雑用そのものが遣り甲斐になっていたり、どこかで自分をアピールする気持ちもあったと思うので、真面目にやっていたように見えてもあまり感心出来たものではなかったなと思いました。むしろ、数年間を経た今みたいな時こそ、こういう細かいことをちゃんとやらねばと思うのでした。秀吉のように、草履とりの仕事でも一生懸命さが実を結ぶはず。

 

と思って、丁寧に雑用をやっていたところ、「適当に切り上げて本業に精を出してくれ」と軽く窘められてしまったので、程ほどにすることにしました。そんなに長時間やっていた訳ではないのですが、予想以上に適当で良かった模様。

 

仕事はとにかく、折り合いに専念しています。新しいことを始める時はいつも熱くなってしまうので、そこを何とか抑えて、なるべく冷静に無駄のないように働いております。幸い、残業もそこまで残れないようになっているので、切り上げ時を見つけられるようにもなっています。前は残業が100時間ぐらいあったので、今こういう環境になってみると、どこか物足りなさもあります。けど、残業すれば良い成果がでるとは限らないし、時間をかけて働くこと自体に自己満足や充実感もあったりするので、残業することが良い訳ではないのも確かです。今は本当に、きっちり時間通りに、無になって働くことを心がけています。

 

先行しつつきちんと折り合える競争馬は偉いなと思います。スピードに任せて前へ前へと行きたくなってしまう所を、騎手の言うことをちゃんと聞いて折り合い、スタミナを温存しておいて、しかけるべき所でしかけていく。リオンディーズのように優れた天分に恵まれた馬であっても、折り合いがつかなければ、レースでは台無しになってしまいますからね……本当に、折り合いとペース配分は大事です。逃げる以外の戦法がとれない不器用な性分に産まれたのが逃げ馬で、歴史を振り返れば逃げ馬の中にも名馬は沢山いるものの、やはりその強さには危うさが付きまといます。

 

一方で、先週のスプリンターズステークスを見ていると何とも言えない気持ちになりました。あれだけずば抜けた能力をもったビッグアーサーが、敢えて前に出ようとせず中団で折り合おうとしたために、前を塞がれ、1番人気の馬が12着という大参事になってしまいました。変に戦略を立てずに前へ出ていれば、何の問題もなく勝てたのでは、という声が多数あがっています。確かにペース配分は大事だけれど、無理にスピードを殺すことで、失われてしまうものもあるのだな……。

 

とは言え、ビッグアーサーだって、逃げた方が強そうには違いないですが、決して折り合いが付けられないことはなく、高松宮記念は4番手で折り合って勝っていますね。歴史を遡ればミホノブルボンなんかも逃げ馬ですが、あれもただ逃げているだけではなく、機械のように精確なラップを刻んで自分のペースを守るという、非凡な能力を備えていました。やっぱり、一流馬は闇雲に逃げるのとは違っています。なので、とにかく私も、折り合いを付けられるようになってから、次のことを考えようと思います。