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情緒不安定

退職届けを出し終わり、来週の月曜日が最終出社日となりました。そんな訳で、退職までのラストスパートのつもりで毎日粛々と働いているのですが、今日は余りにも周りの私語が煩く、集中を乱されること甚だしかったので、また詰まらんことを大声で……と、モヤモヤのスイッチが入ってしまい、仕事にならないので早めに切り上げて来ました。

 

退職を大袈裟に考えていたせいで、少し感傷的になってしまっていたのですが、やっぱり、今の怒りの方が本物な気がします。この部署が、心の底から嫌いです。辞めるにあたり、部長より上の偉い人とも面談があったのですが、その時に言われたのですよ。この部署には女性を置けない、置いても皆んな出て行きたがる、と。同じチームから、退職する私だけでは無く、他にも休職者が2名も出たことから、何にか問題があるのでは無いかと疑っていたとも言っていました。他のチームでこういう事が起きている所は無いらしいので、やはり今のチームに問題があることは確かなのでしょう。どうやら、社内でも一番劣悪な所を引いてしまったようです。なまじここに馴染んでしまったら、恥知らずを受け入れてしまうことになっていたでしょうから、むしろ馴染めなくて良かったと思うくらいです。

 

とにかく、このチームの人が嫌でした。若い人が主体で、胸糞悪いタイプが多かったですね。ちょっと私の美意識には合わないような容貌の男たちの、滲み出るナルシシズムを見せつけられることほど気持ち悪いことは無かったです。こういう私の嫌いな手合いは、なぜか皆「ヒゲを生やし始める」という共通点があるのですが、何なのでしょうね。同じような行動パターンをしているなと思うことは他にも沢山ありますが、これは容貌に現れる共通点なので一番分かり易い。似合っていないし、汚いのですが、気持ちのどこかで社会人デビューでもしたがっているのでしょうね。きっと、Facebookなんかを一生懸命投稿していたりするのだろうな。人間だれしも欠点の一つや二つあるもので、その一つ一つに目くじらを立てていても仕方が無いのは分かっているのですが、ただこれだけは、虚栄心の強い人というのは、付き合ってあまり良いことは無いと思ってます。

 

入社当時、私は独学で専門知識を備えていたので、同期の中では一番出来る方でした。周りが不勉強なので自然とそうなってしまっただけなのですが、この「出来る」という部分に目を付けて近づいてきた人間がいましたね。これが、今いる部署で一番嫌いな男なのですが、まあナルシシズムの強い奴で。「賢い」というよりかは「目端が利く」という表現がしっくりくる男で、小才を駆使して卒なく立ち回り、要領よく周囲からの評価を獲得することに成功しているような人間です。今ではもう口も利きませんが、はじめの頃はこの男が私に接近して来ていました。渋々ながら応じていたのですが、話してくる内容は大したことは無くて、意識の高い発言と悪口のどちらかです。意識の高い発言というのは、人によって色々な動機があるので、それ自体はどうでも良いのですが、悪口の方は、悪口を言うターゲットの選び方が陰湿で、良くミスする人とか、大人しい人を選んで陰口のターゲットにするという、卑劣で聞くに堪えないものでした。自分の小才を鼻にかけているものですから、「出来る人」「出来ない人」との対立構造を作り、派閥を形成したがるのですよ。自分が与党になって、優越感を感じていたいのでしょうね。私に近づいてくるのも、結局は与党形成が目的なので、勿論こちらの人間性などお構いなし、一緒に行動していても、口では調子の良いことを言っていますが、言動の端々にマウンティング意識が滲み出ていたので、当然のごとく長続きはしませんでした。 まあ、こういう人たちは、そこそこ出世はするんじゃないですかね。でも、私は関わり合いになりたくはないです。

 

敵味方とか、勝ち負けとか、そういう目で世界を観るのは好きでは無いのですが、現実に敵味方がいるのは避けられないし、相手がこちらを敵と見なして来る以上は応じない訳にはいきません。色々思い返して、今のチームに対して情も無くは無いと思っていましたが、やっぱり嫌いでした。最初から最後まで、今の同僚達はずっと敵でした。

 

敵となる 人こそはわが師匠ぞと

おもひかへして 身をもたしなめ

――「島津いろは歌」より

 

でも、敵だからこそ、師匠でもある訳です。今の会社で学んだことの一番大きなものは、自分の弱点と、弱点を攻撃してくる敵との戦い方です。独りでいた時には気付かなかったことに気付くことが出来ましたし、水の合う場所では得られなかったこともありました。こういう事を言ったら舐められるとか、こういう態度でいると付け込まれるとか、護身術は特に鍛えられたと思います。もっと酷い敵は、世の中に沢山いるでしょうから、それと比べたらよほど有難い師匠に違いない。それくらいで解決しておかないと、憎悪がエスカレートしたり、反動で罪悪感が湧いてきたりするので、やり切れません。

 

人を憎むのはエネルギーを使います。未だに、人が怖いです。