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映画『さとにきたらええやん』感想

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6月26日にポレポレ東中野で『さとにきたらええやん』というドキュメンタリー映画を観てきました。この映画は、大阪西成にある、居場所のないこども達のための施設「こどもの里」を取材したドキュメンタリーです。子供の貧困の勉強会に参加したときに、こういう映画があるよと教えてもらったことがきっかけで、観に行ってきました。

 

この映画には、解説が全くありませんでした。里のこども達・おとな達の生活が映されるだけで、どう受け取るかは観客に委ねられるようになっていました。語り手のような存在がないため、子供たちの生活がナマで映されているような感覚が強かったです。そのためか、自然と身が引き締まり、目を逸らしてはいけないという緊張感を感じながら、映画を観ていました。

 

メインは、知的障害をもった男の子と、家庭に問題を抱える女の子です。素朴で裏表がなくて、とても良い子たちでした。子供たちの資質による所もあるのでしょうが、「こどもの里」という居場所があって、正面から向き合ってくれる人がいるからこそ、裏表なく成長していけるのかなと思いました。「こどもの里」では、子供も大人もみんな真剣です。嬉しいことは皆で分かち合ってくれるし、悪いことに対しては正面から叱ってくれます。「こどもの里」にいる子供たちは、学校にいけない子が多いようです。それでも、学校にいけない子供たち同士でつながり合い、学校に行くことを目標にして頑張って生活していました。「こどもの里」もなく、学校にも行けず、孤独のままだったとしたら、素直な性格でいることは難しかったのではないかと思います。

 

子供たちは良い子たちばかりだし、「こどもの里」もとても良い環境だと思いました。確かにそれはそうです。しかし、それだけだと貧困を娯楽として消費するだけになってしまうので、映画を通して子供たちと、「こどもの里」にまつわる問題とどう向き合うべきなのだろうかを自分なりに考えてみました。

 

子供の貧困問題は最近になって認知されるようになってきましたが、それでもこの問題を実感している人はかなり少ないそうです。実際に、先日参加してきた勉強会でも、身近に貧困の子供を知っているという人はほとんどいませんでした。貧困というのは見えづらいものなのです。このドキュメンタリーでは、経済的な貧困・心の貧困に晒される子供たちの姿を知ることが出来ます。数字でしか見えなかった問題を、具体的なイメージと共に考えることが出来るようになります。もちろん、実態は映画にあるような綺麗なことばかりではないと思いますが、それでも、映画の中にも一面の真実があるし、映画を観て芽生えた感情にも必ず真実があると思うので、それを活かしていくことが大事なのかなと思いました。現場をイメージ出来るようになることは、何をするにおいても重要なことだと思っています。