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函館を想う

日記

昨夜はなかなか眠られず、微睡んだと思う間もなく一時間ほどで目が覚めてしまい、結局そのまま会社へ行きました。ぼんやりしながら坦々と仕事をし、夜10時に退社しました。身体はもはや糸の切れたタコのようで、電車の中でウトウトするも、一応体内時計は動いており、眼を覚ますと、釣りこまれるように家路につきました。

 

睡眠が減ると、普段見えないものが見えてくる感覚があります。先週から函館で夏競馬が始まりましたが、今日はずっと函館競馬場に思いを馳せていました。函館競馬場は、100年の歴史を持つ日本最古の競馬場です。函館市内にあるこの競馬場からは海が望め、潮風も吹いてくるそうです。厩の匂いに海の匂いが重なって、きっと他の競馬場にはない独特な空気を感じることが出来るのでしょう。函館開催は一年を通して夏だけなので、この夏のためにコースが仕上げられています。綺麗に生えそろった洋芝に、青々とした夏の空の下で開催される競馬は、さぞかし清々しいだろうなと思います。

 

函館というのは、本土と蝦夷をつなぐ港町で、異郷のようなエキゾチックなイメージがあります。そこには、どんな人達がいるのだろうか。港町だから、船乗りのように荒々しい人が多いのだろうか。異郷に冒険するような気持ちで、はるばる1人、海を渡ってみたい。競馬場に入りびたり、旅打ちなんかをしてみたい。一発当てて、少し贅沢なものを食べるのも良いだろう。きっと、物語の中の博打打になったようで、楽しいだろうなあ。そんなことを、考えるともなく考えておりました。

 

かつて何人か、北海道から来たという人と知り合ったことを思い出しました。みな牧歌的で、良い人ばかりだったなあ。また会って話してみたいなと思う人もいるけれど、今となってはなすすべもない。出会いがあっても、人間関係を育てることが出来なければそれまでのことで、道が違えば、もう顔を合わせることも無い。自分がもっと器用な人間だったら、寂しい追憶の中にではなくて、思い出の人達と直接言葉を交わしたり、温かな人情を分かち合ったりすることも出来たのでしょう。旅をするのにも、一人旅ばかりではなく、旧交を温め合うような、楽しい旅を想像することも出来たのでしょう。

 

こんな時は、碌なことを考えつかないものです。ここではないどこかや、過去のことばかりを思い浮かべてしまいます。今では何とか働いて生活していますが、とても活き活きしているとは言い難くて、やっぱり心は病みっぱなし。相変わらずの独りぼっちの生活の中、疲れてふと立ち止まると、空想にふけったり、青春時代を飛び越えた遠い過去の昔を思い出したりして、どうしようも無い罪の意識に囚われたりしています。